グラフィックデザイナーには向き不向きがありまして、今回はグラフィックデザイナーに向いている人はどんな人なのか書いていきたいと思います。
私は現在、グラフィックデザイナーとして経歴13年目に突入しておりまして、これまでの経験の中で、たぶん100人以上のデザイナーと出会いました。
その中でグラフィックデザインを楽しんでいる人、グラフィックデザインがうまい人には共通点がありました。
その共通点は大きく分けて3つあり、ざっくり言うと
- 自信がある
- 前向き
- 感度が高い
この3つです。
上記の3つの点についてもう少し深掘りしながら、グラフィックデザイナーに向いている人の条件について書いていこうと思います。
- これからグラフィックデザイナーになりたいと思っている人。
- グラフィックデザイナーとして自分の力量に悩んでいる人。
の参考になれば嬉しいです。
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グラフィックデザイナーに向いている人の条件
ざっくり3つに分けましたが、もう少し詳しく書いていこうと思います。
自信がある
自信があるというのは
自分に自信がある=自分のデザインに自信がある
ということでして、自信がある人のデザインと、自信がない人のデザインには説得力に大きな差が出ます。
自信を持って制作物を提出できるか
例えば、クライアントや上司に自分の制作物を提出する時、臆せず自信を持って提出できる人はグラフィックデザイナーに向いています。
もう少し具体的に言うと、
自分がデザインした制作物を我が子のように愛しく思い、こんないいものが出来たんだから、誰にも文句は言わせない!というくらいの気迫を込めれる人がグラフィックデザイナーに向いています。
なんだかちょっと狂気じみてる感じがしますが、実際自分のデザインしたものを我が子のように思うデザイナーは多いのです。そして、自分の制作物を愛している人ほど、周囲からの評価が高い傾向があります。
やりきった、と感じているか
クライアントや上司に自分の作ったものを提出するのはとても勇気がいることです。
でも提出する時点で自分の制作物に自信が持てない場合は、「やりきれてない」可能性があります。
もうこれ以上は無理だ、と思うまで制作に没頭し、愛を込めてデザインできたら、自信を持って自分の制作物を提出できるはずです。
「自信を持ってプレゼンができる状態まで作り込みができるかどうか」という点が大事でして、なぜなら、大前提として「作った本人が良いと思っていないものを、他人は良いと思ってくれない」からです。
自信をもって話すことが大事
グラフィックデザインの現場においては、「説明」が必要な場面がよくあります。
全く同じデザインのチラシがあったとして、
「我ながら最高にいい感じのチラシができました!ぜひ見てください!」と自信に溢れた雰囲気で提出されるのと、
「精一杯がんばって作ったんですけど、どこか間違っているところもあるかもしれません。違うところがあれば、すぐ直します……」とビクビク提出されるのでは、全く評価が変わってきます。
「どうですか?これ、良くないですか?」と自信がある人の方が、クライアントや上司のOKも出やすいです。
逆に、「すみません、チェックお願いします……」とビクビクしながら提出している人は割といつまでもやり直しをしています。
自分に自信を持ち、自分の制作物を愛せること。グラフィックデザイナーに向いている人の第一条件だと思います。
前向き
グラフィックデザインの現場は割とトラブルが多く、心が折れそうになる出来事が続くこともあります。
例えば
- ずっと待ってるけどクライアントからデータが来ない→制作ができない
- 入稿間際になって大量の修正が入ってきた
- はじめA4で作ってたのに、いきなりA3二つ折り4ページに変更になった
など。
きちんと対応してくれるクライアントばかりだったらいいのですが、中には滅茶苦茶なことを言い出すクライアントもいます。
社内に営業がいる場合はきちんと応対してくれることもありますが、交渉がうまくいかず、全てのしわ寄せがデザイナーに……なんてことも現場では日常茶飯事です。
負の感情を引きずらない
想定外の出来事に対して、いつまでも愚痴を言わず、前向きに方向転換できる人はグラフィックデザイナーに向いています。
というか、すぐに切り替えて作業に取りかからないと自分が消耗していくだけです。
グラフィックデザイナーは残業も多く、ただえさえ激務ですので、いつまでたっても気分を切り替えられないと肉体的にも精神的にも激しく消耗してしまいます。
「あーあ、またあの会社の担当者原稿くれないじゃん!wwもう他のできるところから進めとこうww」
「今日はなんかいいアイデアが浮かばない。もういいや!早めに帰ってまた明日からがんばろ!お疲れさまでーす!」
泣き寝入りは悔しいですし、納得できないこともありますが、トラブルを引きずって自分が疲れるのは馬鹿らしいです。
真正面から戦うのもいいですが、自分が疲れそうになったらやめましょう。余力があるときは改善策を練るのもいいかもしれません。
気持ちをうまく切り替えて、グラフィックデザインの現場を楽しみましょう。
感度が高い
デザインにも流行があり、「なんかいいね」と思ってもらえるデザインをするためには流行を察知する必要があります。
詳しくはこちらの記事で書きました。
グラフィックデザイナーに必要なスキルの習得方法【ソフト操作・情報整理・流行察知】
流行を察知するためにはずっとパソコンに座って作業するだけではなく、街を歩き、広告物を見て自分の目を鍛えることが大事です。
しかし、デザイナーの中にも上記のような「広告」「トレンド」などを自然と察知できる人と、努力しないと察知できない人がいます。
「広告」「流行」「トレンド」「世の中の動向」などを自然と肌で感じられる、もしくはそういった分野に関する情報が好きな人はグラフィックデザイナーに向いていると思います。
向いている条件が揃っていなくてもグラフィックデザイナーになれる
グラフィックデザイナーに向いている人の条件を紹介しましたが、現時点であなたに向いている人の条件が揃っていなくても、大丈夫です。
その理由は、上記で述べた「向いている人の条件」は努力によって補うことができるからです。
自信をもつためにできること
- 自分のデザインした制作物の「いいところ」を見つける
- 制作物を提出する時、大きな声でハキハキ話す
- 同僚や家族に、自分のデザインのいいところを言ってもらう
- 過去の制作物を見返して成長を感じる
前向きになるためにできること
- そもそもトラブルがあって当たり前だと思っておく
- 余裕を持ってスケジュールを組む
- 定時退社・早朝出勤などで時間の余裕を作る
- とりあえず笑う
- 思いっきり泣いてみる
感度を高めるためにできること
- 美術館に行ってみる
- 映画館に行ってみる
- 雑誌を買ってみる
- 買い物をしてみる
- 旅行に行ってみる
パッと思いつくままに書いてみました。中にはちょっと無理やり感があるものもありましたが、小さいことでも続けていると習慣となって、変わることができます。
自分はグラフィックデザイナーに向いていない、と悲観せず、少しずつ努力を重ねてみてください。
あなたがグラフィックデザイナーとして楽しく働けることを祈ってます。