水野学さんの本、「センスは知識からはじまる」を読んだのでレビューします。
本屋のデザイン書のコーナーで、タイトルに惹かれて購入しました。
以前から「センスってなんだろう?」と疑問に思っていたのですが、タイトルを見て、この本を読めばセンスの正体が分かるような気がしたんです。
結果としては、無事にセンスとはなにか理解し納得できました。
そのうえでセンスの磨き方、生かし方まで知れました。
読んで良かった、と素直に思いましたので、
皆さんにもご紹介したいな、と思って今この記事を書いています。
水野学「センスは知識からはじまる」レビュー
著者:水野学さんについて
水野学さん
- good design company代表
- 慶應義塾大学環境情報学部特別招聘准教授
- クリエイティブディレクター
代表作
- 「くまモン」キャラクターデザイン
- Docomo「iD」ブランディング
- 「中川政七商店」ブランディング
など他多数
著者はgood design companyの代表、水野学(みずの まなぶ)さんです。
水野さんはデザイン業界では有名なクリエイティブディレクターです。
誰もが知っている大人気キャラクター「くまモン」の制作など、様々な分野で活躍されています。
この本を読むと得られるもの
- センスの正体が分かる
- センスの磨き方が分かる
- センスの生かし方が分かる
水野さんはこの本の中で
センスとは、自分の中に知識を蓄積し、その知識を使って「数値化できない物事を最適化する能力」
と述べています。
この定義を元に、
- センスを身につける方法
- センスを仕事に生かす方法
が具体例を混じえつつ解説されているのですが、その具体例が大変分かりやすく、かつ再現性が高いのでとても参考になります。
そして、この本の一番いいところは、
読了後、センスがより身近なものに感じられ、「自分にもセンスはある。そしてそれを磨くことができるんだ」という前向きな気持ちになれること。
- 丁寧な解説
- 分かりやすい事例
により、どうせ自分にはセンスなんてない、と悲観的な人にも、「もしかしたら、自分にもできるかも?」と思わせてくれる良書です。
また、話の流れの中で「教育」や「これからの時代」、「日本企業」などに関する著者の考えが書かれているのですが、とても説得力のある意見で、読んでいて何度も頷いてしまいました。
この本を買うべき人
基本的には誰にでもおすすめできる本ですが、特に購入をおすすめしたいのは
- 自分はセンスがないと思っている人
- センスを磨きたい人
- クリエイティブ職に就いている人
この本はデザイナー向けに書かれた本というよりは、センスを磨きたいと考えているすべての人に向けて書かれた本です。
ですが水野さんの本職がクリエイティブディレクターですので、センスの生かし方の実例は、実際のものづくりの現場に基づいて書かれています。
クリエイティブ職の方には特におすすめ
制作過程における水野さんの思考プロセスが詳しく紹介されているので、現役のデザイナーにはとても参考になります。
その他にも、少しですがフォントやシズルに関する話などもあり、デザイナーには興味深い内容です。
本文の中で「どんな職種にもセンスが必要不可欠になっている」という言葉がありました。
この本が発行されたのは2014年ですが、現在はよりセンスが求められる時代になってきているのではないでしょうか。
まずはこの本を読み、センスについて理解を深めることが、センスを磨くための第一歩になると思います。